開港都市にいがた 水と土の芸術祭 2012

12/12/17 | カテゴリー:美術展 | | No コメント

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2つの大きな川、信濃川と阿賀野川。

そのたまものである新潟は豊かな土地であり、

開港5港の1つである港町だ。

日本一の美田を誇り、伝統的な神楽や祭りが伝えられる土地。

ここで、〈水と土の芸術祭〉が夏から開催されている。

12月24日(月曜・休日)まで。

ちなみに芸術祭タイトルロゴデザインは森本千絵氏。


気にはなっていたものの、訪れる時間がとれないかもと思っていたが、

先日、佐渡島である取材があり、翌日、1日を使って訪れることができた。

アートプロジェクトの一部作品などをフォトレポートしたい。


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大友良英×飴屋法水たち「Smile」 (部分)


大友良英×飴屋法水たち「Smile」会場 メイン会場「万代島旧水揚」

ヴェネツィアビエンナーレのアルセナーレ会場の一部を思わせる旧水揚場を

利用した大規模インスタレーション。

主には廃棄物を用い、そこにサウンドが付けられている。

見学者が持ち寄った電化製品や靴、廃校舎の備品なども目に付く。


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こちらは、曽我部昌史+神奈川大学曽我部研究室による会場設えの一部


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持ち寄られた家電製品(リサイクル法により持ち込めないものもある)。


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各人が靴を持ち込んで作られるインスタレーション。


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もともとは学校の下駄箱かロッカーだろうか。糸巻きなどがのっている。


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音楽室、体育館、教室などで使われていたスピーカー。


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漁業用の大きな水槽の中にスピーカーを設置し、サウンドインスタレーション。


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ガラスに手描きされたキャラクター。



原口典之「新潟.景12」会場 メイン会場「万代島旧水揚場」大かまぼこ

原口典之氏は最近、表参道のエスパス ルイ・ヴィトンで行った展示が記憶に新しい。

ドクメンタ6(1977年)にて廃油を満たした巨大な鉄のプールを発表しているが、

今回はそのシリーズの別バージョンというか、発展型だろうか。

廃油や海水のプールや極太のロープを組み合わせたり、

海水の雨を降らせるインスタレーションを展開した。


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断続的に雨が降るので、この場に入る場合は用意された長靴をはき、傘を持つ。


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手前は廃油を満たしたプール。美しい水平。



照屋勇賢「旧齋藤家別邸における Notice-Forest インスタレーション」

会場 旧齋藤家別邸

照屋勇賢氏の作品はトーキョーワンダーサイト渋谷や在日アメリカ大使館、

グッゲンハイム美術館などで見てきた。

今回もほんとうに良くできている作品を素晴らしい場所で。


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袋の下に鯉が映し出されていて、それはこの屋敷の庭の鯉がモチーフ。

 

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鯉のクローズアップ。   photo/ Mizuho Kuwata

 

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「森」がテーマなので、彼の例の作品シリーズ。


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これも。かつて避暑用の別邸だったこの建物の窓は、それゆえ北に向けられている。


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袋の中の超絶技巧の美しい樹木。


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旧齋藤家別邸(大正時代)の門。

英語でSaito's summer villaとあった。夏に涼しく過ごすための豪商の別邸。



華雪「日/記」会場 北方文化博物館新潟分館


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書家・歌人の會津八一が晩年過ごした場所で、會津が書いた「新潟日報」の

「日」を書写し続ける作品。


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屏風に貼った「新潟日報」の上に書かれている。



西野達「知っているのはオレだけ」会場 メイン会場 「万代島旧水揚場」

西野達氏のビデオ&写真作品。


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豚の丸焼きだが、串になっているのは交通標識。


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そのまま、交通標識として設置。串刺しに執着のある彼らしい作品。



坂巻正美「けはいをきくこと・・・北方圏における森の思想(南限のチャシより)」

会場1 メイン会場「万代島旧水揚場」会場2 高森薬師庵 会場3 薬師堂周辺(野外)


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作者は環北太平洋北方圏の先住民文化について実地調査をしている。

狩猟や祭礼の現場、土地の記憶をもとに各地にフィールドワークの

ドキュメントとして作品を発表している。



藤井光「わしたちがこんな目にあって、あんたたちは得をした」

会場 メイン会場「万代島旧水揚場」旧水産会館2F


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日本の公害問題の転機となった1967年の新潟水俣病第一次訴訟が題材。



KiKiKo(キキコ)「汽水域」会場2 メイン会場 「万代島旧水揚場」 旧水産会館2F


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信濃川河口は淡水と海水が混ざり合い、生物を育む「汽水域」。

青と黄の釣り糸を淡水と海水に見立て、部屋に張り、そのグラデーションで

「汽水域」を表現した。



wah document ワウ ドキュメント「おもしろ半分制作所」

会場 メイン会場 「万代島旧水揚場」


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プレハブの小屋を改造して、〈おもしろ半分制作所〉を作った。


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ツリーハウスのように屋根に設置された小屋。


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富士山が描かれた風呂もある。

 

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「半分温泉」!   photo/ Mizuho Kuwata

 


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内部は2階建てが4層構造に改造されている。


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ちょっと懐かしくて、かなりすてきなインテリア。



管懐賓(グァン・ファイビン)「心園の渡り」会場 関屋分水記念公園


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一見、公園にある遊具と間違えられることもあるが、現代美術作品。

 

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海に面する公園に設置された双胴船。   photo/ Mizuho Kuwata



前山忠「日本海の視界」会場 なぎさのふれあい広場


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額縁ですね。動く絵です。

 

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同行した写真家の桑田瑞穂クンが撮ってくれた写真。

前が僕、後ろはライターの篠原礼子さん。   photo/ Mizuho Kuwata


土屋公雄APT(=アートプロジェクトチーム) 田原唯之+木村恒介「海抜ゼロ」

会場 上堰潟公園


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この廊下を進んでいくと、海抜0メートルが可視化できます。



佐々木愛「『残された物語』Migrating Stories」会場 角田山妙光寺


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その地特有の植物や文様からのイメージを用い、白砂糖で物語を描く。

お寺の客殿のさや堂の天井に設置された「渡り」の物語。



クイビーン・オフラハラ Caoimhghin Ó Fraithile

「16×10[awake/a father’s wake]」

会場 矢垂川縁辺 (西蒲区福井「旧庄屋佐藤家」近く)


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地元産の竹木葦草を使用し、市民との協働作業で水・土に苦闘した父祖たちの霊を

鎮魂する作品を作る。アイルランド人作家。



石川直樹「異人 the stranger」会場 旧笹川家住宅(国の重要文化財)


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写真家・冒険家の石川直樹氏による「異人」シリーズ。

村上市大栗田集落に伝わる〈あまめはぎ〉(重要無形民俗文化財)を取材している。



西野達「知らないのはお前だけ」会場 旧小須戸教員住宅


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西野達氏の作品の外観。今度はなにを囲ったかというと・・。


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天井を取り払った平屋の民家。そこで生活する人の様子が上から覗ける仕組み。


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こんな感じ。

西野氏の作品は全部見たいと思っているのだが、

ここに来なければ、危うく見逃すところだった。

今年は西野作品を見るためにニューヨークやゲント(ベルギー)に行ったのに、

新潟にやっと来れた。



王文志(ワン・ウェンヂー)「浴火鳳凰-Phoenix From The Flames」

会場 やすらぎ堤右岸


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竹で編まれたパヴィリオン。

「再生」を願い、3月11日から1か月をかけて制作された。


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床面から天井をのぞむパノラマ写真。



作品が展示されている地域が広域で、クルマを使ってもまわるのは大変だが、

国際的な活躍をしている作家多数で、それぞれの作品のクオリティが高い。

会期は残り少ないが、機会があればぜひ出かけてほしい。

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