応挙の藤花図と近世の屏風

12/07/30 | カテゴリー:美術展 | | No コメント

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根津美術館では「応挙の藤花図と近世の屏風」展が始まっている。

この美術館収蔵の尾形光琳・国宝《燕子花図屏風》があまりにも有名だが、

重要文化財であるこの《藤花図屏風》もすばらしい。


今回、コレクション展というには、あまりにレベルの高い展示になっている。

8月26日(日)まで。


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円山応挙《藤花図(ふじはなず)屏風》6曲1双 紙本金地着色

 江戸時代 安永5年(1776)


作品に添えられた解説文から引用すると

「下描き無しの一気呵成の筆遣いが魅力ですが、線の重なりはよく整理され、

あらかじめ構図を周到にイメージしてから描かれたものと考えられます(以下略)」。


初公開の屏風である。

俵屋宗達が主宰した工房で長年使用された「伊年」の印が捺された屏風。

たんぽぽ、桜草、菫、菜の花、蕗、山吹、芥子、どくだみ、

さらに燕子花、蓮などが見える。

傷みが激しかったようだが、今回、修理が完成し、公開のはこびとなった。


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「伊年」印《草花図(そうかず)屏風》6曲1隻 紙本着色 江戸時代 17世紀


こちらも「伊年」印の屏風。

草花の群れが穏やかな韻律を刻むモチーフ配置は、

やがて光琳に継承されていくと解説されている。


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「伊年」印《夏秋草図(なつあきくさず)屏風》6曲1双 紙本着色 江戸時代 17世紀


さて、時代はやや下がって、長沢芦雪の屏風。

北宋の詩人、蘇軾(そしょく)が元豊5年(1082年)の秋と冬、

2度にわたって遊んだ景勝地、赤壁を詠じた前後2篇の『赤壁賦』に基づいた屏風絵。

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長沢芦雪《赤壁図(せきへきず)屏風》(右隻)6曲1双 紙本墨画淡彩 江戸時代 18世紀


右隻のディテール。月夜に舟遊びする様子が描かれる。人物がかわいい。

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長沢芦雪《赤壁図(せきへきず)屏風》(右隻・部分)


こちらは左隻のディテール。ふたたび赤壁を訪れる様子が描かれる。

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長沢芦雪《赤壁図(せきへきず)屏風》(左隻・部分)


麝香猫というのは異国の霊獣だそうだ。

中国の遊猫図をもとにし、霊獣を描くことで吉祥の屏風としている。

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狩野宗信《桜下麝香猫図(おうかじゃこうねこず)屏風》6曲1双 紙本金地面着色

 江戸時代 17世紀


舟や車を発明したと伝えられる黄帝(右隻)と、五弦琴を弾き、歌を詠うと天下が

よく治まったという舜帝(左隻)という古代中国の2人の伝説的な皇帝の逸話を描いた屏風。

徳川将軍家、大名家が積極的に欲しがる画題だろう。

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狩野探幽《両帝図屏風》6曲1双 紙本金地着色 江戸時代 寛文元年(1661)


本展は展示期間も短いので、興味を持ったら、ぜひ早めに足を運んでほしい。

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