イケムラレイコ うつりゆくもの

11/08/23 | カテゴリー:美術展 | | No コメント

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イケムラレイコ氏の絵画、彫刻、ドローイング約145点を展示する、

回顧展的な展覧会「イケムラレイコ うつりゆくもの」

東京国立近代美術館で始まった。10月23日(日)まで。

この展覧会、個人的にはずっと楽しみに待っていた。

6月にはベルリンでインタビューもさせてもらった。

(9月1日発売のブルータスに掲載)

 

イケムラ氏はベルリンとケルンを拠点に活動をする日本人現代美術家である。

横たわる少女など、人間の内面を表出させた作品や、海を描いた絵も展示されている。

新作では油彩でありながら、東洋絵画的な山水に挑戦もしているのは

ずっとヨーロッパで活動していながら、それでも日本人としての立ち位置を

持っているためであろうか。

 

彼女は現在、世界レベルで活躍している作家のひとり。その個展は必見の価値有りだ。


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黒の中に青いミコと 1997 栃木県立美術館


世界的な評価に比して、日本国内での知名度はもしかしたら、低かったかもしれないが

この回顧展によって、ファンを増やすことは必至であろう。

今まで、日本国内では豊田市美術館、ヴァンジ彫刻庭園美術館などでも行われ、

評判も良かったの。今回は本格的な回顧展で、しかも国立の美術館での

恵まれたスペースでの展示でもあるので、期待はいっそう高まっていた。


僕が初めてイケムラ作品を見たのは銀座・佐谷画廊での展覧会だった。

図録の年譜で確認すると、1998年「ブラックヌーン」展。

 

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左:山水 2011

右:山水 2011


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ララ 2007 個人蔵、ケルン


数多い作品もそれぞれがいいし、投影されているビデオにも見入るが、

会場の展示構成がいい。担当したのは建築家のフィリップ・フォン・マット氏。

 

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手前:ひざまずいて(目に身をあずけながら)1997


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(左から)横たわる少女 1997/2006 ヴァンジ彫刻庭園美術館、

横たわる少女(青) 1997

ミコに支えられて横たわる 1998 豊田市美術館

二羽の鳥をかかえた黄色い服 1996 Courtesy: ShugoArts, Tokyo

赤の中で眠っている人物像 1997/2010 カールステン・グレーヴェ・ギャラリー、ケルン


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lying in redorange 2008 東京ステーションギャラリー


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左:ヒカリ 2005 個人蔵、ベルリン(Courtesy: Loock Galerie, Berlin)

中:あさのうみ 2005 ヴァンジ彫刻庭園美術館

右:よるのうみ 2003-04 ヴァンジ彫刻庭園美術館


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(手前)キャベツ頭 1994 国立国際美術館


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イケムラさんの書いた詩もインスタレーションされている。


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うさぎの柱 1992 ヴァンジ彫刻庭園美術館


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風景 1990 個人蔵、愛知(Courtesy: Gallery HAM, Nagoya)


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無題 1981  無題 1981
無題 1981  無題 1981


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(手前)デング 2004 カールステン・グレーヴェ・ギャラリー、ケルン


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報道内覧会の記者発表。


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開会式でスピーチをする。日本語と英語とドイツ語。


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オープニングのあとのディナーにて。

イケムラさんの誕生日でもあったので、ケーキも。

左は彼女のパートナーで、今回、会場デザインを手がけた建築家の

フィリップ・フォン・マット氏。


展覧会カタログに寄せられた本展担当学芸員のひとり、保阪健二朗氏の

「なぜ彼女たちは匍匐するのか? 『古事記』とエコロジーを手がかりに」は

イケムラ作品を様々な要素からとらえ、たいへん興味深い論考になっている。

そのキーワードは〈古事記〉〈エコロジー〉だけでなく、

〈眠り/夢/魂〉〈水平線/セザンヌ/深さ〉〈非建築的/小ささ/神話〉

などを用い、作品とイケムラ氏本人の画業の本質に迫っている。

 

また、カタログのデザインは中島英樹氏が手がけているが、

製本にも気を使っており、ページを大きく開ける作り。

巻末にアトリエで制作中のイケムラ氏の写真などが載っているが、

撮影は川内倫子氏で、その写真がどれもすてきだ。

川内氏による写真は、特設ウェブサイト「イケムラレイコ Side B」にも掲載されている。

 

 

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