ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー

11/04/09 | カテゴリー:美術展 | | 2 コメント

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ホンマタカシさんの写真展「ニュー・ドキュメンタリー」が

東京オペラシティ アートギャラリーで始まっている。6月26日(日)まで。

スペースを区切り、いくつかのシリーズを展開しているが一部を紹介しておく。


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「Tokyo and My Daughter」より


著書『たのしい写真』でも知られるように、ホンマ氏は単なる写真家というよりは

理論派で、写真史家的な側面も持っている。

展覧会説明ページにもあるように、ホンマ氏はスーザン・ソンタグの言葉

「Photography is, first of all, a way of seeing. It is not seeing itself

(写真とは何よりも一つの見方であり、見ることそれ自体ではないのだ)」に

よく触れる。

しかも、写真=ドキュメンタリーという構図も崩している。

たとえば、「Tokyo and My Daughter」というタイトルをつけていながら、

被写体の少女は、ホンマ氏の「私の娘」ではない。

そういう見せ方をした作品シリーズにすぎない。

だから、「ニュー・ドキュメンタリー」なのだろう。


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「Tokyo and My Daughter」より


彼の仕事について、独断で言わせてもらうと、

「写真によって、写真史をまとめる仕事」といえると思う。

このたった200年ほどのメディアの歴史をもう一度写真でさらっているのだ。

「Tokyo and My Daughter」を見れば、島尾伸三氏の「まほちゃん」を思い出すし、

設定は変わるが、荒木経惟氏と陽子さんとの関係を重ね合わせることもできる。


世界中のマクドナルドを撮影した「M」はホンマ氏のタイポロジー作品で

これは、ベッヒャー夫妻に捧げるべき作品であると言ってもいい。


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「M」より


「Widows」というイタリアの未亡人たちのシリーズは、Found photosと合わせていたり、

オーソドックスなドキュメンタリー性から、江成常夫氏の「花嫁のアメリカ」や

十文字美信氏の「蘭の舟」をイメージさせずにはいられない。


「Trails」では、結局、獲物を見せないこと、同時に赤い絵の具を使った抽象画を

見せることで、目の前の事実を、現実か虚構か、結論をはぐらかしている。

これも「ニュー・ドキュメンタリー」か。


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「Trails」より


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「Trails」より


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「Trails」より、絵画作品


ホンマ氏の写真は「評論的」「編集的」であるということはよく言われる。

それに加えて「写真史的」であるということを付け加えておく。

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2 コメント {コメントする}
  • さなぁえ

    ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー、観に行ってまいりました。
    いつも自分なりの感想(Reviewとはとても言えない・・・)を記してからこちらを拝見するのですが、
    知見や見識がある、と言うのはこうも違うものなのか、
    と言う事をいつも感じます。
    何か写真展、絵画展を観る時に、まず自分として好きか興味がそそられないか、「あり」か「なし」かを問うてみるのですが、
    いずれも前者。 シンプルに面白かったです。
    http://sanaegogo.exblog.jp/14731336/

  • ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー | Press Libre

    [...] ■フクヘン。 : ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー(2011/4/9) [...]

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