先日、映画『ハーブ&ドロシー』についてトークをさせていただいた。
実はこの映画関連では3回目なのだが、毎回状況が違う。
1回目は横浜のBankArt1929で映画のハイライトシーンを見ながら、
佐々木芽生監督との対談だった。
2回目は日本での封切館であるイメージフォーラムでのアフタートーク。
これは、PowerPointなどを使わず、話だけでやるというもの。
3回目が先日で、日本経済新聞社のスペースNIOというところで。
ここでも30分だけだったので、登場するアート作品の紹介とか、
ニューヨークの撮影ポイントとか細かい話はできなかったが、
ひとつ新着のエピソードを紹介した。
それは、建築家の安藤忠雄さんもこの映画を見てて、インタビューの中で
話しているのを発見したことである。
CasaBRUTUS特別編集「安藤忠雄の美術館・博物館へ」(8月5日発売)より
トークの当日にカーサブルータスのスタッフと話をしていたのだが、
その話の中でたまたまこのことを知り、発売前だが許可を得て、内容を見せてもらった。
安藤氏はこう言っている。インタビュアは、小崎哲哉氏。
厳密に言うと、ハーブとドロシーの2人の収入の内、1人分を生活費に、
1人分を美術品購入に充てていた(現在は2人とも、リタイアしている)ので、
正確ではないが、お金持ちが美術コレクションを作り上げたのではないことは確かである。
極端に要約すれば「お金がないから、良いコレクションができた」ということだ。
この話を読んで僕は、平松剛『光の教会―安藤忠雄の現場』 の中にあった
安藤氏の言葉を思い出した。
教会の設計を安藤さんに頼みに来た牧師さんや信者の人たちを前に安藤さんが
「お金がないんか。それはいいものができるでぇ」と言ったというのである。
制約があるほど、人は燃える。知恵を出すために頑張るということだ。
そうやって、安藤建築の中の名作中の名作、〈光の教会〉が生まれた。
どちらの安藤氏の言葉にも、ちょっと感動したので映画のアフタートークで
話してしまったのだが、やや唐突だったかなぁ。
聴いてくれてた人が、話についてこれたかどうかはやや不安。すみません。
インタビューはこちらに掲載されている。
CasaBRUTUS特別編集「安藤忠雄の美術館・博物館へ」(8月5日発売)マガジンハウス
鈴木さんのトーク聞いていました。安藤さんのお話はホットで貴重な情報でした。でも、前段の映画がとても素敵だったので会場の皆さん精力を吸い取られたのだと思います。質問する元気が残っていませんでした。鈴木さんにはお気の毒な設定だったと思います。ハーブとドロシーのお眼鏡にかなった日本のアーティストは河原さんのほかどなたなか伺いたかったです。所蔵リストをずっと追いましたが草間さんや杉本さんのお名前はなかったと思いますが・・・。