『いのちの乳房—乳がんによる「乳房再建手術」にのぞんだ19人』

11/05/21 | カテゴリー:蔵書紹介 | | No コメント

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荒木経惟さんの写真集『いのちの乳房—乳がんによる「乳房再建手術」にのぞんだ19人』

(STPプロジェクト編)を送っていただいたので紹介したい。


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B5変形版・108ページ 赤々舎刊  2,500円+税


乳がんになって、「乳房再建手術」を経て、美しい乳房を取り戻した女性たちの

晴れやかなポートレート集である。


荒木氏が日頃多く撮影している、職業モデルや性産業に近いところで

働いている女性たちとは違った活動範囲の女性たちと思われる。


プレスリリースによると、この写真集の発行の目的は

1. 乳がん告知を受けた人や、乳がん手術で乳房の変形や喪失を経験した人に、

 美しい乳房を取り戻す方法があることをお知らせする。

2. 「乳房再建手術」に対する社会的な認知と理解を広げる。

3. 乳がん患者さんと接する医療機関従事者に「乳房再建手術」の実際を

 目で見える形でお伝えし、再建手術に対する知見を広めてもらうとともに、

 患者さんたちへの説明資料として活用してもらう


登場する女性たちはみな、強く美しい。堂々としている。

それは当然かもしれない。

病を得た上に、女性としての美の一部を失うかもしれないというどん底から、

生還した人たちなのだから。彼女たち自身に力がある。

それに加え、写真家に荒木経惟氏を迎え入れたことが、

この写真集を成功に導いている。いいキャスティングだ。

きっと撮影現場は笑い声が絶えなかったことだろう。

彼はおそらく世界的にも最も多く写真集を出している写真家だと思うが、

この写真集はその中にあって、サイズやボリュームを誇るわけでもなく、

全編モノクロームで、表紙周りもモノクロ写真と赤い文字だけで構成されている。

しかし、この、ある意味地味な写真集が発するメッセージは他のどの仕事よりも

強いものになっているかもしれない。



3人の女性によって運営される〈STPプロジェクトの仕事であり、

版元の赤々舎の代表も姫野希美さんという女性である。

彼らもこの仕事に対し、誇らしい思いでいることだろう。


モデルを務めた女性たちの言葉より:

「〈前よりきれいな胸を手に入れる!〉

という気持ちで臨んだ乳房再建手術。

病気はつらい経験だったけれど、

なんだか人生のご褒美をいただいたような感じです。」

「情報がないために選択肢を失い、

流さなくていい涙を流している患者さんたちのためになれば…と

モデルに応募しましたが、

この撮影にのぞんでいちばん救われたのは

私自身だったことに気づきました。」


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